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不動産取得税は相続でかからない場合がある?贈与でかかる場合との違いを解説

不動産コラム

有本 祐樹

筆者 有本 祐樹

相続や贈与で不動産を取得したものの、不動産取得税がかかる場合とかからない場合の違いが分からず、不安を抱えていませんか。
相続税や登録免許税の手続きに追われるなかで、不動産取得税は後から突然通知が届くことも多く、事前に仕組みを知っておくことが大切です。
そこで本記事では、不動産取得税の基本から、相続でかからないケース、贈与などでかかるケースまでを整理し、税負担をできるだけ軽くするための考え方をやさしく解説します。
相続や贈与で不動産を取得した方が、今どの税金を確認すべきかを整理できる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

相続と不動産取得税の基本をやさしく整理

不動産取得税とは、土地や建物を取得したときに都道府県が一度だけ課税する地方税です。
売買や贈与、新築や増改築など、さまざまな取得のしかたが対象となり、固定資産税評価額を基準として税額が計算されます。
また、同じ不動産について何度も課税される税金ではなく、取得の事実があったときに原則として一度きりである点が大きな特徴です。
このように、不動産取得税は取得の原因ではなく「不動産を取得した事実」に着目して課税される仕組みになっています。

ただし、不動産を取得したときに関係する税金は、不動産取得税だけではありません。
相続や贈与、売買など、取得の原因ごとに関係する税目や計算方法、申告の有無が大きく異なります。
たとえば、売買であれば売主側の譲渡所得税、贈与であれば受け取る側の贈与税など、取得の背景によって負担する税金の性質が変わります。
そのため、まずは自分がどのような経緯で不動産を取得したのかを整理することが、税負担を正しく把握する第一歩になります。

相続や贈与で不動産を取得した方にとって、特に意識しておきたい税金は、相続税・登録免許税・不動産取得税の3つです。
相続税は、亡くなった方から財産全体を引き継ぐことに対して課される国の税金であり、基礎控除を超える場合に申告と納税が必要になります。
これに対して、名義変更の登記を行う際には登録免許税が、さらに取得した不動産そのものに対しては不動産取得税が関係してきます。
このように、それぞれの税目がどの場面で関係するのかを理解しておくことで、「不動産取得税がかかる場合とかからない場合」を判断しやすくなります。

税目 主な内容 相続時の位置づけ
相続税 遺産全体への課税 基礎控除超過で申告
登録免許税 名義変更登記の税金 相続登記や保存登記
不動産取得税 不動産取得に対する税金 相続は原則非課税

相続で不動産取得税がかからない主なケース

まず押さえておきたいのは、法定相続人が相続によって土地や建物を取得した場合、不動産取得税は地方税法の規定により原則として非課税とされていることです。
相続は被相続人の死亡という一方的な事実により開始し、取得する側の積極的な取得行為がある売買などと異なるため、課税上は「経済的な取得」ではなく「権利の承継」と位置付けられています。
この考え方に基づき、法定相続人が遺言や法定相続分、遺産分割などを通じて不動産を引き継ぐ場合には、不動産取得税を課さない取扱いが全国的な原則となっています。
そのため、相続で不動産を取得した方は、まず「法定相続人として承継したかどうか」を確認することが大切です。

次に、遺産分割協議で相続人同士が持分を調整した場合の不動産取得税の扱いです。
最高裁判所の判決や各自治体の実務では、相続人全員の合意により一度成立した遺産分割を解除し、改めてやり直した結果として不動産を取得した場合でも、「相続による取得」とみなして不動産取得税は非課税とする取扱いが示されています。
また、最初から遺産分割協議によって特定の相続人が不動産を単独で取得する形にした場合も、法定相続人間の分割であれば、通常は相続に伴う承継として非課税の枠組みで整理されます。
したがって、相続人同士で柔軟に持分を調整しても、原則として不動産取得税が増える心配はありません。

もっとも、不動産取得税がかからないからといって、相続に関する税負担が一切ないわけではない点には注意が必要です。
相続で取得した土地や建物については、遺産全体の価額や法定相続人の数に応じて相続税が課される可能性があり、国税庁が示す基礎控除額の計算式に基づいて判定することになります。
さらに、不動産の名義を被相続人から相続人名義へ変更する際には、登録免許税が課税され、固定資産評価額に所定の税率を乗じて計算する仕組みです。
このように、「相続で不動産取得税はかからないが、相続税と登録免許税は別に検討が必要」という点を押さえておくと、相続後の資金計画を立てやすくなります。

場面 不動産取得税 注意したい他の税金
法定相続人が相続で取得 原則非課税 相続税・登録免許税
遺産分割協議で持分調整 相続とみなし非課税 相続税の負担割合
名義変更の登記手続 課税なし 登録免許税の納付

相続・贈与で不動産取得税が「かかる」例外パターン

まず、相続であっても不動産取得税が課税される代表的な例として、法定相続人以外への特定遺贈があります。
遺言により、親族や第三者へ個別に土地や建物を遺す場合、その受遺者は不動産取得税の納税義務者となるのが一般的な取扱いです。
また、被相続人の死亡を条件として所有権が移転する死因贈与契約による取得も、多くの都道府県で課税対象とされています。
このように、相続と似た形であっても取得の法的性質によって課税関係が変わるため、遺言や契約内容を確認することが重要です。

次に、生前贈与により不動産を取得した場合は、原則として不動産取得税の課税対象になります。
暦年課税による贈与であれば、贈与税の対象になると同時に、都道府県に対して不動産取得税も発生する点を押さえておく必要があります。
さらに、相続時精算課税制度を利用して、一定の限度額まで贈与税が軽減される場合でも、不動産取得税の負担は別に生じる取扱いとされています。
このため、生前贈与を検討する際には、贈与税だけでなく不動産取得税を含めた総合的な税負担を試算することが大切です。

また、相続や贈与で不動産を取得した方が注意したいのが、名義変更の仕方による課税リスクです。
たとえば、相続人が一旦単独名義で相続登記を行い、その後に持分を他の親族へ贈与や持分移転登記によって移すと、後から不動産取得税の課税対象となる場合があります。
本来であれば遺産分割協議で整理できたはずの持分調整を、贈与や売買とみなされる形で名義変更すると、贈与税や不動産取得税が余分に生じる可能性が高まります。
したがって、登記の名義人や持分の決め方は、税務上の影響も踏まえて慎重に検討する必要があります。

取得の形態 不動産取得税の扱い 注意すべきポイント
法定相続人への相続 原則非課税の取扱い 相続登記や期限の確認
特定遺贈・死因贈与 課税対象となる可能性 遺言内容と受遺者の確認
生前贈与による取得 原則として課税対象 贈与税と合わせた負担
持分移転の名義変更 贈与とみなされる場合 登記方法と税務上の整理

相続・贈与後の手続きと税負担を軽くするポイント

不動産取得税は、売買や贈与、新築などにより不動産を取得した際に一度だけ課される地方税であり、相続による取得には原則として課税されませんが、贈与や例外的な相続形態では課税される場合があります。
この税金は都道府県が課税主体となり、取得から一定期間後に納税通知書が送付され、その納期限までに金融機関や口座振替などで納付する流れが一般的です。
多くの都道府県では、取得の翌年度以降に課税されるため、取得直後には請求が来ない点にも注意が必要です。
まずは、通知書の内容と納期限を確認し、納付方法と必要な軽減申請の有無を整理しておくことが大切です。

相続や贈与で取得した不動産については、一定の要件を満たせば不動産取得税が軽減される制度があります。
代表的なものとして、自己の居住用として利用する新築住宅や中古住宅、その敷地となる宅地に対する課税標準の特例や税額控除が設けられており、床面積や土地面積、取得時期などに細かな条件があります。
また、課税標準となる評価額が一定額未満の場合に非課税となる基準もあり、これは取得日や用途によって金額が異なります。
これらの軽減措置の多くは、都道府県への申告や申請が前提となるため、通知書の到着を待たずに早めに条件を確認し、必要書類を整えておくことが重要です。

相続や贈与で不動産を取得した場合でも、名義の変更方法や取得原因の整理を誤ると、本来不要な不動産取得税が課されるおそれがあります。
特に、生前贈与や相続時精算課税制度を利用した贈与、配偶者間の特例を活用した贈与などは、不動産取得税の軽減とは別に、贈与税や相続税の取扱いも複雑になるため、税務署や都道府県税事務所、税理士・司法書士など専門家への早期相談が有効です。
相談の際には、不動産の所在地や評価額が分かる資料、相続関係や贈与契約書、今後の利用予定などを整理しておくと、必要な軽減措置や手続きの見通しが立てやすくなります。
こうした準備を行うことで、税負担を適切に抑えつつ、相続・贈与後の手続きを円滑に進めることができます。

場面 主な確認事項 相談先の目安
納税通知書が届いたとき 取得原因・納期限・軽減適用可否 都道府県税事務所窓口
住宅や宅地を自宅利用するとき 床面積要件・居住開始時期 税務に詳しい専門家
生前贈与や相続時精算課税を検討するとき 贈与税・相続税との関係 税務署または税理士

まとめ

不動産取得税は、相続なら原則かからず、贈与や生前贈与では課税される場合がある税金です。
ただし、受け取る人の立場や名義変更の方法によって扱いが変わるため、自己判断は危険です。
また、不動産取得税以外にも相続税や登録免許税が関わり、軽減制度を使えるかどうかで負担も大きく違います。
相続や贈与で不動産を取得された方は、「自分の場合はいくら、いつまでに、どの手続きが必要か」を早めに確認することが安心への近道です。
当社では状況を丁寧にお伺いし、必要な税金や手続きの流れをわかりやすくご説明しますので、まずはお気軽にご相談ください。

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